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2025/06/07 03:09 |
猛暑のすごし方
「水浴び行きたいな」
 最初にそう提案したのはレイラだ。精神年齢と肉体年齢が一致していない彼女の提案は、いつだってシンプルだった。
「外、暑いわよ?」
 そう返事をしたのは彼女の双子の姉のライアだ。そんな彼女は窓の外を見て、うんざりそうな顔をしている。
「暑いから、水浴びしたいな」
 妹はもう一度同じ提案を口にした。どうやら、外の熱気にも負けずに遊びに出たいらしい。
 確かに家の中にいても暑いのは変わりないのだから、外に出て涼むのも一興かもしれないとも思う。
 何より、ライアは双子の妹にいつも弱かった。
「……じゃ、行く?」
「行く~」
 喜び勇んで準備を始めた妹を見て、ライアは少し苦笑した。


「……なんでオレ達まで?」
 双子の家からほど近い川の中、カイトはふと我に返ってみた。
 確か、居候先として暮らしている双子の家で暑さでバテていたはずだ。そして、いつの間にか川の中にいた。
「どうしたの?」
 ぼうっとしていたからだろう、レイラが彼の顔を覗き込んだ。そして彼はここにいる理由を思い出す。
 そうだ、いつものように彼女に誘われたんだ。
「ああ、なんでもない」
 覗き込まれたことに気づいて少し顔を赤くするカイト。それを見て、レイラは満面の笑みで「遊ぼう」と言った。
 彼女の服には何か魔法でもかけたのだろう、濡れても一切透けていない。
 カイトはそれを見て少し安心したのだが。
「何見てんのよ」
 一瞬でもまじまじと見ていたからだろうか、なぜかライアに頭をどつかれた。


「で、お前らは入らないのか?」
 川で遊ぶ三人とは少し距離を置いて水浴びしていたアレスは、木陰で座り込む二人に声をかけた。
「ああ、私はいいです」
 とヘルが返事をすれば、
「私も」
 と、クレロスもそれに追随した。
 どうやら傍観者を決め込むつもりでいる二人を見て、しばし考えるアレス。
「ヘル、ちょっと来い」
「何ですか?」
 ふいにアレスが手招き。ヘルは何の疑問も持たないで彼に近づいた。
 そのまま近寄ると、アレスは思い切りヘルの腕を引っ張った。

 バシャーン

 お約束どおり、思い切り川の中に引きずられたヘル。
「何するんですか!」
「いや、別に」
 そして、まじまじとヘルを見つめるアレス。
 ヘルの服はすっかり濡れており、体のラインがくっきりと見える。腰なんかは片手で掴めそうなほど細いし、濡れた黒髪もまた、どことなく艶っぽい。
「そっちも何見てんのよ」
 そしてアレスもまた、契約者同様ライアに思い切りどつかれた。 


久しぶりに双子を書くつもりが、いつの間にか雑念と邪念が混ざってた。
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2008/08/03 01:59 | Comments(0) | TrackBack() | 村月ささら

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